Diary

言葉の贈り物

先日、中学生の頃から親しい友人と久しぶりに会いました。出会った頃は毎日のように一緒にいて、もう20年もの付き合いになります。本当に、長い。近況報告であっという間に時間が経ってしまうほど、会える頻度はそう多くないけれど、お互いが会話の中でアウトプットしたことに対して、相手から反応がもらえて、また自分の内側に言葉を戻す・・・そんな感覚で心地よい時間にしてくれる友人です。

 

 

ふと気づけば、彼女は間も無く誕生日を迎えるという日でした。私と言ったら、何にも用意していなくて。でも、その場でランチをご馳走するなんていう、その場凌ぎのお祝いはなんとなく嫌だったので、お祝い選びは持ち帰りました。ブランドものやアクセサリー、コスメといったことにめっきり疎い。いつも贈り物選びに困り果てるのですが、今回は驚くほどスッと頭に浮かんだものがあったのです。

 

 

それは、一冊の本 「さよならのあとで」です。

英国の神学者が書いた一片の詩に、沢山のやさしい挿絵をまとった、それはそれは美しい本です。「Death is nothing at all. / 死はなんでもないものです。」という一見疑問を持つような言葉だけど、その詩を読み終えた時には驚くほど満ち足りた気持ちになります。

 

 

彼女にも、私にも、大切な人がいて

彼女にも、私にも家族がいます

家族には、当たり前のように犬や猫といった動物も含まれます

もちろん、私にとっての彼女のように、大切な友人がいます。

私と友人の性格はたぶん、あまり似ていないのだけれど、きっとこの“大切な存在がある”という感覚は、同じ感度で捉えてると考えていました。私は、詩集によくみる、空白の間がとても好きです。けして、その間を飛ばして読んだりはしません。この本は、そんな間がすごく心地よくて、“読む時間”そのものがギフトになればという想いも込めて、プレゼントに選びました。きっと、これからの人生、この本を暮らしの中でいつも目の届くところに置くと思います。お守りのような本。彼女にとっても、そんな存在になってくれることを願っています。