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お宮参り〜赤ちゃんを想って〜

子供の成長を若竹に例えることがあるのはご存知ですか?
「竹は一度出てくると、一年でも本当に背が高くなっていってどんどん成長するじゃないですか。風に揺られても、折れることなく。それは節目があるからなんですよね。節目の数が多ければ多いだけ、どんなに強い風が吹いてきても抵抗することなく流れて折れなかったりします。お子様の成長に例えると、こういった人生儀礼をやっていただくことで節目が、しっかりとした節目が多く作っていけます。神様のお力を頂いて、お父さんお母さんたちの温かい見守りがあってお子さんはすくすく成長していけるということです。」

そう語っていただいたのは、埼玉県川越市にある川越氷川神社の権禰宜(ごんねぎ)の横山様です。
私たち151画カメラマンとも深くご縁がある川越氷川神社。そこで横山さんからお宮参りについてお話しを伺いました。

151画:赤ちゃんが生まれて間もなくお宮参りをする理由って何でしょうか?
横山様:室町時代から主に形成されていき、江戸時代へとつながっていったお宮参りですが、今と昔で大きく異なるのが、生まれた赤ちゃんが成長できる確率です。現代は医学も発達していますからね。だから、昔の人はこれから先、子供の成長を神様にお祈りするということは大切なことでした。

151画:お宮参りをする日に決まりはありますか?
横山様:日程等、特に決まりはありません。お子様が産まれて成長した頃、そしてお母様の体調が落ち着いた1ヶ月を目安にされると良いでしょう。
お母様は人生の中で本当に大きな大きな山を乗り越えましたから。お子様が産まれるというのはとても大切なお祝い事になりますので、お母様とお子様の体調を第一におじいちゃんやおばあちゃんなど家族の方が多く一緒にお祝いできる日を是非選んでください。産まれて二ヶ月経っていたからといって問題ありません。また大安、仏滅も気にしないでお参りしていただけますよ。

151画:赤ちゃんがいると、きっと荷物も多いしお母様は授乳もありますよね。

横山様:神社様にもよりますが、授乳室があるところもありますよ。出産されたお母さんが、授乳がささっとできるような服装で来ていただくのは赤ちゃんを思った服装ですので、全然構わないです。
基本的には社殿の中にはいってお参りしますので、一般的な正装で来ていただければ大丈夫です。

151画:ご祈祷中赤ちゃんが泣いてしまった時にはどうしたら良いでしょう?
横山様:お宮参りでは特に誰が抱っこしても構いません。お父様側の御祖母様が抱っこされることも多いですが、産まれて数ヶ月経ったお子様だとなんだか抱き心地が違くて泣き病まない赤ちゃんがいたりします。祈祷中に赤ちゃんが泣いてももちろん構いません。泣いていることこそが元気な印ですからね。なので、気にしなくて大丈夫なんですけど、心配であれば赤ちゃんが落ち着く方が抱っこされると良いかもしれないですね。

151画:権禰宜様はどのような気持ちでご祈祷されているのですか?
横山様:ご祈願中、私たち(権禰宜様)が思う気持ちはお父さんお母さんと一緒で、無事に産まれた事に感謝したりですとか、これから先、健全に発育していただけることです。
神社にもよりますが、私たち氷川神社ではお宮参りはお子様が産まれてはじめてのお参りになるので、祈願後にお渡ししているお札等に関しては“記念品としてしばらくとっておいてください”とご案内しています。
例えば、お子さんが小学生の高学年などになった頃、色々なことがわかるようになると思うので、その時にまたお札をもってきてご家族とお宮参りの日をお話ししていただいたりすると、とても有難いと思っています。

親が子を想うのはいつの時代も変わらず、子供の健やかな成長を願って出来ることをする。そして親の愛が子に引き継がれ、その子が親になった時にまたお宮参りいく。時代を超えてこのサイクルがお宮参りの文化をつくったのだと思うととても素敵なことですね。
これからお宮参りを迎えるみなさんは神社で過ごされる時間をご家族で楽しまれてくださいね。そして、お子様が大きく成長されたご家庭では、お子様が産まれてすぐの時のことを皆さんで思い出してお話ししてみてはいかがでしょうか。