Diary

良い物との出会い

先日、出先で少し大きな本屋に行った時、ふとこんなことを考えたんです。

「なんで、本屋さんにきたんだっけ?」

よく考えると、数年前まではもともとお目当ての本が決まっていて、それを求めに足を運んでいた様に思います。今では欲しい本はネットで購入することがほとんどです。その時気が付いたのは、本屋へは「良い本(自分にとって)と出会いたい」と漠然と感じた時に行っているということ。私の場合、読む本のジャンルはかなりばらつきがあり、参考書や自己啓発本も読むことはありますが、大抵が物語や絵本、写真集や画集、哲学や思想なんていう内容のものを好みます。整った通路を歩きながら、時折立ち止まってタイトルを一つずつ丁寧に読んで気になったものを手にとったり、本自体のデザインに惹かれたり、イラストにビビッときて欲しい!と思って購入したり。きれいに並べられたたくさんの本の中から、選ぶ楽しさみたいなものは本屋ならではの体験だと思います。

それとよく似た感覚が、骨董市やマルシェでしょうか。古くから引き継がれてきた物たちや、作り手の見える素敵な雑貨や食品を見て手に取るのは、ショッピングモールで買い物をするのとは体験が大きく異なります。身の丈にあった良い物を手に入れるための買い物ではなく、家に持ち帰りたい、この子(物)と暮らしたい。そんな感覚にしてくれる、自分にとっての良い物を探す旅なのです。

そういえばこの数年で、後から無駄遣いをしてしまったと後悔することがとても減ったと思います。自分にとって良い物と出会うことは、ただ日常をおくっているだけではそう頻繁にあることではありません。だからこそきっと物との出会いを大切にし、自分の気持ちにストンと落ちた物を手に取ることができる様になったのだと思います。

春は、物との出会いも多くなる季節です。いろんな出会いを楽しみたいですね。

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