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【対談】作曲家zmi:日常に溢れる音

2019.2.23

幼少期から親しんでいるピアノを用い、柔らかなサウンドを奏でる作曲家のzmiさん。これまでにCMや映画への楽曲提供など数々の作品を残しています。今回はそんな彼女の日常について151画が対談という形で触れてきました。きってもきれないzmiさんと音楽の関係が日常の様子から見てとることができました。

 

江守:私たちは日常、日々ってなんだろうといういうことを常に考えてきました。もともと写真は撮った瞬間に過去になるもの。果たしてその過去を残すという行為がどこまで意味があるのかをカメラマンとして考えていかなければならないと思っています。人が大切にできる写真ってなんだろうって考えた時に、ライフスタイルが残っているということが価値があるんじゃないかというのはずっと思ってて、まだ151画も1年だから思い悩んではいるんですけどね。

 

【プライベートと仕事】

(料理好きな彼女のキッチン)

 

江守:zmiさんの毎日の過ごし方として仕事とプライベートのバランスはどの様になりますか?

zmi:とてもぐちゃぐちゃです!オンオフを切り離す必要もないと思っています。

江守:“作曲活動”が仕事という感覚はあります?一般論で言えば仕事とプライベートって分けるじゃないですか。プライベートは楽しくて満たされてて、仕事はちょっとハードで負担が少しかかってくる印象というか。二項対立で比較する感覚があるなと思っていて。

zmi:仕事は納期があるということ。あとは、CMとかの商業音楽だったら完全に仕事という感覚でしょうか。でも、今受けている仕事は自分の感覚にも近い考え方を持ったクリエイターの方からの依頼だったのでそう思うと仕事って言っているけれど仕事じゃないところもあるかな。

(151画 江守との対談風景)

 

江守:音楽や仕事のことは常に考えて日々を過ごしているのですか?

zmi:その時受けていた仕事があるとその内容をずーっと考えている。生活の中でどこで何が当引っかかってくるかわからないから!景色とか、流れている空気とか自分のその時の気持ちがどこに引っかかるかわからないんです。実は今事務の仕事もしていて。目的は今の生活水準をさげずに海外旅行の資金を貯めるためなんですけど、事務作業をしているその時間だけは完全に音楽から切り離されている不思議な時間なんです。

江守:瞑想みたいな感覚??

zmi:そうかもしれない!本当に切り離されちゃうから。その時間が自分を整理する時間だと気が付いたことは新しい発見でした。

江守:仕事とプライベートのオンオフを切り離さないことに対してはどう考えていますか?

zmi:なんて言ったらいいんだろう。性格にもよるのかもしれないけれど、私の場合は地元に帰った時に昔からの仲間と会っていても「あ〜そういえば・・・」とか頭の中に突然音楽のことがでてきちゃったりするんです。純粋にその時間を楽しみたいって思っているのに、でてきちゃう。でも友人が理解してくれることが多くて、突然出てきちゃうこともポジティブになれるの。だから、この環境に感謝しています。

 

【アーティストとして】

(よくいくカフェへ)

 

江守:仕事に対する付き合い方としてこれからもアーティストとしての活動を伸ばしていきたいと思っていますか?

zmi:どうしていきたいかとか、正直みえていないです。もうずっと好きでピアノをやっていました。何歳からとかわからないくらい。とは言え練習はすきじゃないんですけどね(笑)

江守:それ天才気質じゃないですか(笑)

zmi:そんなことないです!(笑)私、むかしから感情のコントロールが下手なんです。喜怒哀楽があった時にキャパを超えた部分をどう表現したらいいのかわからなくなってしまう。下手したらシリアルキラーになっていたかもしれない(笑)それは冗談だけど!あんまりにも楽しい時間があると泣けてきちゃったり。悲しい時も、楽しい時も全部そう。その時にただピアノがあって、あふれた感情を涙の代わりにピアノで表現してコントロールできたんです。

(作曲をしている様子)

 

江守:好きで始めて、また、そのままずっと音楽に触れてきたということですね。

zmi:はい。だから好きなまま続けていきたいと思っています。そうなった時に、仕事してやるべきなのか自分の作品として作っていくべきなのか・・・正直かなり悩んでいます。

江守:好きでやっている時は、zmiさんの表現手段なんですね。誰かから何か言われてそれを表現することは大きな違いがありますね。

zmi:もちろん私の音を仕事で求めてもらえてそれがうまく言った時もとても嬉しいです。

江守:それでも音楽で食べていけるんだとしたらそれは喜ばしい状態だと考える??

zmi:事務の仕事をやってみてひたすらルールの中でルーティン作業をやってみた時に、確実に定時で帰れる様な仕事をしながらやるべきなのかと考えるときもあります。というのも一人で部屋にこもって作業していると情緒不安定になるの。作れる時と作れない時の差だったり、昼夜逆転しちゃったり。事務作業をしている時間の様に、まもるべき時間があったり音楽から完全に切り離される時間があるとそれらも緩和されるんです。もしかしたらこうしてルーティン内容の別の仕事をやりながら作曲をしていた方が健康的なのかな・・・。

江守:なるほど。会社から受ける仕事が作曲活動に還元されることもありますか?

zmi:あります!どっちもいいことがある!でも、仕事として受けていくか自分の曲を作っていくか・・・時間は有限だからすごく悩んじゃう。

 

【お金の価値観】

江守:お金に縛られている感覚はありますか??

zmi:自分のやりたいことが保たれればそれでいいと思っています。定期的に海外旅行にいったり、車を走らせて星を見に行けたり。たくさん欲しいとは思わない。だから、仕事は選ぶ様にしていたりもします。

江守:その価値観って自然と見つかっていったんですか?

zmi:父が中国の人で、その関係もあって小さいころから中国にいったり親戚もサンフランシスコとかポルトガルとか色々なところにいてその影響もあるとおもいます。だからお年玉は少ないんですけどね(笑)

江守:すごい環境ですね!!(笑)

(公園に向かいながら)

 

zmi:一番影響を受けたきっかけがあるんです。父は社会貢献活動的なことで中国の電気も通っていない山の奥に学校を作ったんです。それまで日本と中国双方で仕事をしてきていろんなことを比較していたと思うんですけど、その中で日本では対価がしっかり払われていない人たちを沢山みてきたようで、父は学校を作った時教師にはしっかり対価を支払いたいと思っていたそうなんです。ちゃんと実家に帰れたり、自分に使うことができるように。実際にそこの学校の子どもたちの写真を見せてくれたことがあったんですけど、なんだかすごく身近な笑顔に感じたんです。きっと父のそういった考えが笑顔につながっているんだと思いました。そして、そういう笑顔をもっといろんな場所でみたい、笑顔からいろんな景色をみたいと思いました。それをきっかけに海外にいくことが好きになりました。

江守:写真・・・私たちのテーマワードがでましたね!

 

【自分自身を振り返ること】

(フォトグラファー・ライターとして同行の木島)

 

江守:zmiさんの中で悩みはもちろんあると思うんですけど、“今自分はこういう状況なんだ”って自発的に振り返ることはありますか?

zmi:すごくあります!静岡の地元に帰ると振り返ることが多いですね。地元では車の生活が当たり前で時間に縛られずに遠出できていたんです。金曜日の夜に突然京都に行こうとか、深夜の神社に言って広い駐車場に車をとめて星を見たりとか。下手したら毎日やってた(笑)今は年齢的に眠たくなっちゃうからできないけど(笑)東京にでてきて、部屋や環境を極力自分の好きなもので集めようとおもったりはしました。でも自由に遠出しようってなった時にどうしてもお金も時間も必要以上にかかってしまう。車を借りて、時間内に返して・・・そう言ったことを思った時に、自分を見つめてみたてここでの暮らしに不満をがんじていることに気がついたりしました。だから外にで、また自分の好きなものを取り入れるために公園にいったりする様になりましたね。

(公園で音探し)

 

江守:振り返ることはzmiさんの今をより良くしていくことに繋がっているんですね。好きなものを取り入れる行動はどういう感情の時にすることが多いですか?

zmi:今、結構ディープな内容の仕事をしていて「生と死」という抽象的テーマに取り組んでいるんです。死の世界、あるのかないのかもわからないような。テーマがテーマだから考え込んだ時に公園にいくきます。家の中にも音って沢山あるんですけど、公園にいくと枯葉とか松ぼっくりとか自分お好きな音で溢れているから。悲しい時にいくこともあるかも。

 

【充実感と幸福感】

江守:zmiさんにとって充実感や幸福感を感じる時って、どんな時なのでしょう。

zmi:新しい音を見つけた時ですね。新しい音って言っても水の流れる音や風の音など普段から聞いている音なんですけど、自分の視点が変わった時にすごく新しい音に聞こえる様になったりすることがあります。その新しい音に切り替わった時、とても感動が大きい。新しいおもちゃ見つけた!!みたいな。(笑)公園にこんな人がいたらだいぶ怪しいですよね(笑)

江守:確かにちょっと怪しいかも(笑)でもそれはzmiさんにとって特別な時間ではなくて日常の一部なんですね。

zmi:はい!その通りです。

江守:対人関係で同じ様に幸福を感じる時はどんな時ですか?きっと、zmiさんの中の喜びは共感されづらかったりするのではないでしょうか?

zmi:そうなんです、なかなか共感してもらえない(笑)でも、私が言葉にできなかった感情や気持ちを音にした時にそれを聴いてくれた人が言葉にしてくれることがあって。それはとても嬉しいです。

江守:でも、それが自分が感じていた感情や気持ちと違っていることを言われることはないです?

zmi:私にってそれはそれで正解なの。聞いてくださる人に間違いは絶対作りたくないし、作るべきじゃないと思ってて。作品はあくまで自分の都合。外にだした時点で私だけのものではないんですよね。だから、受け取られ方がずれていてもそれが楽しい!そうなると、題名作るって難しいんですよ(笑)

江守:そっか!たまに No titleっていう曲ありますよね。どういう意図なのかと思っていたけれど、そういうことか!

zmi:そう!全部 No title にしたい(笑)

 

【矛盾】

江守:音楽が大好きなのに、事務の仕事など音楽から切り離された時間が大事と思う矛盾ってなんなのだろう。

zmi:20代前半の頃は遅くまで起きて毎日毎日曲を作っていました。今思えば、当時が一番音楽を深く考えていたと思う。なんで作っているんだろうとか、なんで音楽なんだろうとか。なんていうか、その考えている時間が楽しかったんです。笑う楽しさというよりも、ひたすら音楽と向き合って悩むことができる楽しさ。その反面やっぱり簡単には答えはでないから苦しくもあったんですよね。めちゃくちゃ創作活動していて、いっかい入り込んじゃうと抜け出せなくて考えこんでピアノをみると吐き気がするくらい。でもそんなところが自分にとってアーティストの一番芯の部分なんだと思う。ただ、そこに向かうと自分はこの先結婚もできず子供もできず・・・全部を自ら捨ててしまうことになるんだろうなって思うと悩む部分でもあります。そこに向かいたい。そう思う反面、人生って一回だから。

 

【日々・日常 】

(作業スペース)

江守:私たち151画は日々・日常というワードと常に向き合っていて、zmiさんにとってこのワードはどのように捉えますか?なんでもいいです!思い浮かぶこと。

zmi:わぁ!なんだろう・・・(笑)パッと思いつくのはやっぱり音楽は切り離せないのが日常ということ!!他のアーティストたちはもっとまともに楽器と向き合っているんじゃないかな。(笑)音や振動から離れられないことに苦しいと思ってしまうこともあるけれど、これがなくなったら自分でなくなる様なところ、それが日常かな・・・あってる??(笑)

江守:あってるあってる!基本的にはハッピー??

zmi:今取り組んでいる作品はなかなかできなくて大変なんですけど、楽しんでいます、できた時の喜びを知っているから、基本的にはハッピーなんだと思います。その喜びにたどりつけるかはわからないけどね(笑)

 

zmi

1986年生まれ、静岡県出身の作曲家。幼少期から親しんでいるピアノを用い、柔らかなサウンドを奏でる。これまでにCMや映画への楽曲提供など数々の作品を残す。また、音楽だけでなく写真や映像作品など、幅広い創作活動を行っている。これまでにいくつかの楽曲をデジタル媒体などで発表を重ね、アルバム「ふうね」にて本格的なデビューを飾り、卓越したソングライティング力と情緒豊かな演奏力の持ち主。

 

【写真】江守勇人、木島夕貴
【対談】zmi / 作曲家、 江守 / 151画フォトグラファー  

江守 勇人 / 木島 夕貴

人物専門のフォトグラファー兼ライター。プロフェッショナルとして写真や日常というキーワードと日々向き合い、様々なことに見つめ直しています。オリジナルグッズ制作や写真講習、ファミリータイムカメラなどの企画も数多く行なっています。

 

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