Diary

ずっと

「ずっと一緒にいようね」
こんな言葉を子供の頃に仲の良かった友人と言い合った人は、少なくないのではないかと思います。大人になってみると、その言葉を発する前に意味を考え過ぎてしまって、簡単には言えなくなった気がします。ただ、愛犬のハルにはつい口からぽろっと溢れるように「ずっと一緒にいようね」と声をかけてしまいます。その意味は、ハルにとって私のことなのか、または私にとってのハルのことなのかそんなことすらよく考えずに伝えているようにも思えます。それなのに私はその言葉を口にしたとき、涙が出てしまうことがよくあります。
繁殖犬として頑張ってきたハルだから、これからは私がずっと一緒にいるよと声をかけているようにも思えるし、「ずっと一緒にいてね」と約束を交わしているような感覚なのかもしれません。
でも「ずっと」って、なんなのでしょうか。
ハルは犬だから、想像できることは私より先に旅立つであろう未来。子供の頃は見えていなかった「ずっと」の先が見えてしまうことがこんなにも心臓をギュッとさせるなんて思ってもいなかったです。
もちろん人間にも同じように「その時」はやってきます。それじゃぁハルと何が違うのだろうと考えてみると、きっと辛いことも幸せなことも犬は言葉にできないから、ハルのことをずっとずっと深く考えすぎてしまうんだと思うんです。その時は切なかったり、苦しかったりして、どちらにせよネガティブなのにその感情がとても愛おしく感じるから不思議です。
ただ人間と犬とで違いは全くないはずです。会話ができる人間同士だって言葉が全てではなくて相手を知り、思いやり、考えることが必要だから、ずっとという言葉の深さは同じなのです。
じゃぁずっとってなんなんだろう。それはもしかしたらとても簡単なことで、今を大切に繰り返していくことなのかもしれません。