Diary

建築家 松島潤平さん家族:三つ子の育児から普段の暮らしまで


建築家の松島潤平さんとその奥様 美紗子さんは2017年春に三つ子の赤ちゃんをご出産され、育児に奮闘されながらもお仕事を両立しご家族全員で日々の暮らしを楽しまれています。 お二人ともinstagramやTwitterなどのSNSにて、日々の暮らしを発信し、ご夫婦合わせて10,000人を超えるフォロワーの方に支持されております。 また、潤平さんは「子育てしながら建築を仕事にする(学芸出版社)」にて育児に対するエッセイも出版されており、美紗子さんは編集のお仕事もされている方々です。 松島家にとって、お子様たちとの暮らしはどのように目に写っているのでしょう。 今回は、木島が松島家の普段の暮らしに密着をして151画フォトグラファーの視点で切り取ってきました。 建築家や編集者ならではの独自の視点による育児や暮らし方を、言葉とともにご紹介いたします。
http://jparchitects.jp/
Twitter >>> 松島潤平さん
Instagram>>> 松島美紗子さん

ご夫婦について


木島:ご夫婦の関係の中で大切にしていることはありますか?
潤平さん:妻の知らないことをたくさん知っているミステリアスな夫であることですかね。
美紗子さん:今は子どもが中心の毎日ですが、時にはお互いが好きな焼肉・温泉を楽しむなど夫婦ふたりだけの時間を持つことは大切にしています。 ついつい日々の会話が生活にまつわる業務連絡+育児トークだけになりがちですが、お互いの興味のあることをじっくり話す時間はなくしたくないなと思っています。
木島:ご夫婦でご一緒の休日はどのように過ごされていますか?
潤平さん:少しだけ遅く起きて、三つ子たちを連れて出掛けます。昔は外出の準備に2時間くらい掛かりましたが、最近は手馴れてだんだんと短縮されてきたので気軽に出掛けられるようになりました。


美紗子さん:公園に行って遊んだり、近所で外食したり(外食はうまくいくとものすごい達成感!)近場で遊ぶこともあれば、車でドライブして遠くまで遊びに行くことも多くなってきました。 ふたりとも建築にまつわる仕事をしているので(夫:建築家、私:建築専門の出版社で編集者)新しくできた建築物を見にいったり、興味のある展覧会にみんなで一緒に行くこともあります。 アウトレットやショッピングセンターなど、子連れに優しい施設にもしょっちゅうお世話になっています。 最近だと、3人が電車に興味が出てきたので、大宮の鉄道博物館に行ったのですが、そこらじゅう本物の電車車両だらけで大人も子供も大興奮でした。
木島:日常の中でどのような時間がお好きですか?
潤平さん:昔は自転車に乗っている時。今は車を運転している時。だから移動している時間が好きですね。
美紗子さん:いちばん好きなのは、保育園のお迎えで3人が笑顔でこっちに駆けてくる時です。毎日のことながらいつでもキュンとしてしまうし、その後、抱き合う時間は幸せを感じます。 みんなでお風呂に入る時間(お風呂の中でお絵かきしたり、シャボン玉したり、数字を数えたり…)と、寝顔を眺める時間も好きです。最近は寝かしつけ時に一緒に寝落ちする日の方が多いですが…。


木島:お二人がほっとする時間はどのような時ですか?
潤平さん:夜に歯磨きをしながらパソコンでマンガを読む時。たまに止まらなくなって2時間くらい歯磨きしています。あとは三つ子たちと何も考えずに昼寝する時。
美紗子さん:家ではいつも三つ子と一緒で、日中は仕事をしているので、昼休みの1時間だけが自分の時間です。 この1時間は同僚とランチに行ったりネットサーフィンしたり自由に過ごせて、育児・仕事を両立する日々の中で息抜きになっています。 仕事中に飲むコーヒーにも癒やされてます。
木島:潤平さんが建築家ならではだと思う育児の捉え方があればおしえてください
潤平さん:建物の仕組み、また社会の仕組みを考える職業なので、子どもの言動の仕組みを考えることは多いような気がします。そこから子どもに与える情報とか物を考えたりしています。



木島:美紗子さんが三つ子の育児に関して大変なことや特別だと感じることはありますか?
美紗子さん:大変なのは、やはり家族の体調が悪い時です。風邪など、誰か1人がかかるとだいたい時間差で全滅するのが基本なので…自分も倒れていて子どもも不調だともはや地獄絵図です。 特別だと感じるのは、街でよく知らない人から声をかけられることです。 三つ子ちゃん?と聞かれてそれにこたえると、育児頑張ってますね!と応援してもらえることが多く、励みになります。
木島:10年後どのようなご家族になっていたいですか?
潤平さん:楽器が趣味なので三つ子たちと家族バンドを組むのが夢です。もう少し拡げて言うと、音楽に限らず一緒に物事を分析したり感動したりしたいです。



美紗子さん:10年後というと思春期にさしかかる頃で、もう今のようにママべったりではないのだろうな…と思うとせつないですね。 みんながそれぞれの世界を大切にしつつも、いくつになっても5人で一緒に楽しむ時間を持てる家族でいたいです。 子どもたちと一緒にフットワーク軽くいろんなことに挑戦できたらいいな、と思います。
木島:お二人にとって日常とはなんですか?ご自由にお話しいただけると嬉しいです。
潤平さん:毎日忙しなく生活していると地元や旅先の風景が恋しくなりますが、いざ出張や旅行に出かけると猛烈に普段の生活の風景が恋しくなります。だから「いつも心ここにあらずだな」と思うのですが、よくよく考えると、目の前にない風景を恋しく思うことこそが日常というもののような気がしています。


美紗子さん:仕事に復帰して9カ月が過ぎ、仕事・育児を両立する毎日にも慣れ、この生活が日常として随分家族に馴染んできたなと思います。 最初は子どもたちと離れることにさみしさもありましたが、3人とも保育園でいろんなことを吸収してぐんぐん成長しているし、私も自分の世界を持てることでリフレッシュできて、時間に忙殺されるハードな日々のわりに心身のバランスは良好なので、それは家族や職場、応援してくれる周囲の人びとのおかげでもあるのですが、今の日常を気に入っています。 毎日のタスクを終えるだけで精一杯なので、丁寧な暮らしとはほど遠いですが、なんてことないこの日常こそが大切にしていきたいです。
 

三つ子ちゃんたちについて



木島:自分の子だなぁ〜!と感じる瞬間はありますか?
潤平さん:長男の天然パーマ。長女のちょっと臆病なところ。次男の甘え上手で泣き虫なところ。ぜんぶ大人になって制御できるようになりましたが、そういえば自分の子ども時代はこんな感じだったなと思いますね。


美紗子さん:自分の子だなーと感じるというよりは、むしろ私は小さい頃は内気だったので、自分より社交的だなーと我が子ながらびっくりすることが多いです。 知らない大人ともすぐに打ち解けて愛想をふりまいたり甘えたりしているのですごいな、と…笑 。自分ではあまりわかりませんが、特に長女はママそっくりね!とよく声をかけられます。 次男は夫に、長男は私の父に似ていると言われます。
木島:お子さんたちに対してどんなふうに育って欲しいという願いはありますか?
潤平さん:なんでも興味を持つ広い好奇心と、どこまでも掘り進める深い探究心を持ち続けてほしいです。
美紗子さん:とにかく元気ですくすく育ってほしいのが一番ですが、3人仲良く、協力したり、切磋琢磨したり、たくましく育っていってほしいです。 さらには、それぞれ何か自分の好きなこと、打ち込めることを見つけて楽しく過ごせるようになってくれたら良いなと思っています。
 

SNSについて

木島:SNSでご自身やご家族のことを発信することでご自身や周りにとってどのような効果があると思いますか?
潤平さん:単純に自分の備忘録として利用しています。発信するくらい面白いこと・考えたことをちゃんと記録したい。それを一緒に喜んでくれたら嬉しいですね。
美紗子さん:Instagramでは出産以降は主に三つ子の成長を載せています。 最初は自分のための記録&近しい友人や家族にむけた成長日記として載せていたのが、だんだんたくさんの方に、特に子育て中の方にフォローしていただくようになり、コミュニケーションの場にもなってきました。 自分もInstagramの他の方の投稿を見て、育児の参考にすることが多いのですが、わが家の育児事情がどこかの誰かの参考になるのであれば、嬉しい限りです。

木島:SNSを初めてよかったと思うことはありますか?
潤平さん:おかげさまで業界内でも比較的フォロワー数が多いのでいつもそう思っています。すべてのSNSのなかでTwitterが一番性に合っています。
美紗子さん:Instagramでは三つ子や双子のパパ・ママがたくさん情報発信していらしてて、 産前からリアルな多胎育児情報が集められる場所No.1はInstagramでした。多胎コミュニティに限らず、さまざまな方々と交流できたおかげで家にこもりがちだった産後も孤独感が少なく、つくづく現代に生きててよかったなーと思います。




木島:SNSをどのようなツールだと捉えていますか?
潤平さん:日記の種まきですね。ツイートを元にして自分のweb日記を再構成しています。
美紗子さん:“情報収集とコミュニケーションの場”です。
木島:SNSを通じた他者とのコミュケーションはお二人にとってどのような意味を持っていますか?
潤平さん:瞬間的なリアクションが得られることで、設計や原稿といった自分の仕事のフィードバックに大いに役立っています。
美紗子さん:元々仲が良かったリアルな友人たちとのやりとりも楽しんでいますし、特に育児中の皆さんで直接会ったことはなくても交流している方々は、みんな”同士たち!”と思えて心強く感じています。 なかにはInstagramのご縁をきっかけに実際に会ってすごく仲良くなった友人もいて、こういう場で良き出会いが生まれることはおもしろいです。


<

 
まとめ
美紗子さんは最後に、「三つ子が生まれて以来、ものすごく目まぐるしくて毎日があっという間に過ぎていく中、日常の風景を写真で記録していただけたことはとても嬉しいできごとでした。」と伝えてくださいました。言葉の節々からお二人ならではの育児やSNSについての捉え方を知ることができました。ものすごく目まぐるしく過ぎていく日々は大変なことも沢山あるのではないかと思います。自分たちだからできることを一つ一つこなす姿に私自身がパワーをもらうことができました。お子様たちの成長と、松島様ご夫婦の幸せをこの先もずっと見守っていきたいと心から思いました。



http://jparchitects.jp/
Twitter >>> 松島潤平さん
Instagram>>> 松島美紗子さん
子育てしながら建築を仕事にする(学芸出版社)
【写真・インタビュー】木島夕貴
【出演】松島潤平様 松島美紗子様
 
関連する記事
新築記念:家族みんなで記念写真を残してみよう
家族の記録:残すこと振り返ることが今を豊かにする
【対談】作曲家zmi:日常に溢れる音
 

江守 勇人 / 木島 夕貴

151画フォトグラファー兼ライターの二人組。プロフェッショナルとして写真や日常というキーワードと日々向き合い、様々なことに見つめ直しています。

日常風景の出張撮影 「151画」
“ 何気ない一日が、宝物。” をコンセプトとし、
通りすぎていく喜びを思い出に残すフォトサービス。